先日のブログでは制限が自由を作るという話をしました。 今日はさらに踏み込んで選手時代や指導現場で僕が感じてきた現実、そしてそこを生き抜くための生存戦略についてお話しします。
1. フィジカルの貯金が尽きたとき、君は置いていかれる
中学生のうちは、足が速い、体が大きいといった身体能力は貯金のようなものです。格下の相手をその力でなぎ倒す強さは必要ですが、フィジカルやスピードを伸ばす努力から逃げるのも、また負けです。あればあるほどいい武器なのは間違いありません。
しかし、上のカテゴリーに行けば必ず自分よりデカくて、速くて、強い格上の個体に遭遇します。 その時、身体能力という貯金が底をつき、自分のやりたいプレーが一切通用しなくなった時。もし君に、バスケIQという解決策が備わっていなければ、待っているのは周りから置いていかれるという残酷な現実です。 勝てていた相手に全く通用しなくなり、コートの中での居場所がなくなる。
2. 勝手なZは、格上の個体には通用しない
練習でAかBかという分解練習での選択肢の制限をかけたとき、自分のやりたいプレー(=勝手なZ)に走ってしまう選手がいます。 「俺のスピードならこのまま行ける」「パワーで押し切ったほうが早い」
そうやって制限を無視してしまうのは、まだ自分の中にフィジカルの貯金があるからです。でも、その貯金に頼った甘えが、本来その練習で磨くべきバスケIQを高める機会を奪っています。
また、体力が削られた時やミスをした後に、決められた型を放棄して何も考えないプレーで逃げてしまうのも同じです。自分一人の身体能力だけでどうにかしようとする単発のZは格上の個体の前では無力です。
まずは今の自分のやり方に白旗を上げ、徹底的に提示された型を体に叩き込むこと。AかBかの二択ですら責任を持って判断できないまま、この泥臭いプロセスを飛ばして上のレベルで生き残ることは不可能です。
3. IQで個体差をひっくり返す。これこそがバスケの醍醐味
なぜ、ここまで型と判断を強制的に矯正するのか。それは、フィジカルで勝る相手を高いIQとチームプレーで攻略して勝つことこそがバスケットボールという競技の最大の醍醐味だからです。
- 強制的に型を覚え、解決策の引き出しを増やす
- 覚えた選択肢の中から、身につけたIQで最善を判断する
- 徹底的に染み込ませ、どんな逆境(疲労やミス)でもやり抜く
この型の連動こそが、個体としての能力差を無効化します。一人の勝手なZではなく、チームが高いIQを共有して繋がったとき、そのZは格上の個体をも絶望させる決定的な一撃へと進化します。
結び:未来の君を救うのは、今の制限だ
僕が今、君たちを型にはめるのは、単に動きを縛るためではありません。
将来、君たちがフィジカルとスピードの壁にぶち当たり、置いていかれそうになったとき。その絶望の淵で君を救い、クリエイティブに壁をぶち破らせてくれるのは、今、必死に磨いている型とバスケIQです。
今の窮屈さを受け入れよう。フィジカルも、IQも。全部から逃げずに一生通用する本物のスキルを手に入れよう!

